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正しい手洗いうがいの方法

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以前は風邪やインフルエンザの予防、最近では新型コロナの予防に手洗いうがいをするという方は多いのではないでしょうか。手洗いうがいは正しくできてこその予防です。そこでこの記事では手洗いうがいの効果について、正しい手洗いうがいの方法をご紹介します。

手洗いうがいの効果

正しい手洗いうがいをご紹介する前に、効果について簡単に説明します。手は日常的にいろいろなものを触ります。そうすると手に菌やウイルスが付着し、その手で食事をしたり、目をこすったりすると体内にウイルスが入り込んでしまいます。それらを防ぐことができるのが手洗いです。手洗いは、手に付いた菌やウイルスを洗い流すことができるため、感染症予防に効果があります。

効果に関して、流水で手を洗うことでウイルスの数は約1%に、ハンドソープで60秒手洗いをするとウイルスの数は0.001%に減るという報告もされています。外から帰った時やトイレの後、調理前、食事前などは手を洗いましょう。

うがいは、喉に付着した菌が体内に入る前に洗浄できるとされていますが、インフルエンザや新型コロナは、付着から体内に入るまでの時間が短く、効果的ではないという見方もあります。風邪や上気道炎の予防に効果があるという報告も上がっており、賛否両論というのが現状です。感染症予防に関しては断言できませんが、口腔内の洗浄にはなるので、口の中が汚れたと感じた際はうがいをしましょう。

正しい手洗い

手洗いの効果を最大限発揮するには、正しい手洗いをするのが大事です。次の手順で手を洗いましょう。


1.手を水で濡らし、石鹸を泡立てる

2.手のひらをこする

3.両手の指を組み、指の間を洗う

4.親指をもう一方の手で包み、ねじるようにして洗う(両手を行う)

5.手の甲をもう一方の手のひらでこする(両手を行う)

6.手のひらをもう一方の指先で掻くようにして指先と爪の間を洗う(両手を行う)

7.手首をもう一方の手で掴み、回すようにして洗う(両手を行う)

8.流水で石鹸を入念に洗い流す

9.清潔なタオルで水分をふき取る

下記に示す洗い残しになりやすい部分は特に意識して洗うと良いでしょう。
※クリック(タップ)で拡大します

手洗いの時間について、厚生労働省からは30秒以上石鹸でこすり洗いし、15秒以上流水で洗い流すことを推奨しています。手洗いを2回することでよりウイルスを除去できるとも言われていますが、常に2度手洗いをするのは大変ですし、手荒れになってしまう場合もあります。調理前など、衛生面に気を付けた方が良い場合は2度手洗いするなど、状況に合わせて回数を選択すると良いでしょう。

正しいうがい

うがいは下記の手順で行いましょう。


1.コップに水を入れる

2.口に半分くらい水を含む

3.正面を向いたまま「ブクブク」とうがいをして、水を吐き出す

4.再度、口に半分くらい水を含む

5.顔を上に向けて「ガラガラ」と15秒くらいうがいをして、水を吐き出す

6.「5」の「ガラガラ」うがいを2~3回繰り返す

「ブクブク」うがいは口内の汚れを洗い流すためのうがいです。歯の間や頬の裏、歯茎と唇の間など、口内全体をすすぐように意識すると良いでしょう。

「ガラガラ」うがいは喉の奥を洗うためのうがい。「あー」「うー」など声を発しながら行うと奥まで洗いやすくなります。風邪予防で「ガラガラ」うがいをすることは良く聞くと思いますが、その前に「ブクブク」うがいをするのも重要です。「ブクブク」うがいをする前に「ガラガラ」うがいをすると口内にいたウイルスや雑菌を水と一緒に喉の奥に送ってしまいます。まずは「ブクブク」うがいで口内を洗い流してから「ガラガラ」うがいをするようにしましょう。

正しい手洗い、うがいの方法をお伝えしました。特に手洗いは感染症予防に高い効果があるとされています。その高い効果も正しい手洗いができてこそ。今回ご紹介した方法で手洗いをするように意識してくださいね。また、外から帰った時や調理前、食事前などに手を洗う習慣を付けましょう。

関連リンク

手洗い(厚生労働省)
手を洗いましょう(東京都感染症情報センター)
効果的なうがいの仕方 咳エチケット(日本赤十字社)
【新型コロナウイルス】感染症予防のための正しい手洗い方法(YouTube東京都チャンネル)

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