実際にはしていない音や声が聞こえてくる幻聴。聞こえてくる内容によっては、自身を危険にする行動や他者へ攻撃的になってしまうこともあります。幻聴の原因は様々で基本的には医療機関にかかり、治療をする必要があります。ただ、医療機関で治療を受けてもすぐに幻聴がなくならないケースもままあり、生活に支障を感じる方もいらっしゃいます。この記事では、幻聴とはどういうものなのか、また自分でできる幻聴の対処法をご紹介します。
幻聴とは

幻聴は幻覚の1種で実際には音や声がしていないのに、それらが聞こえるように感じられる現象のことです。聞こえてくる内容はベルのような単調な音、物音や自然音、音楽、人の声など多岐にわたります。人の声の内容も多種多様で、批判的や否定的な内容、命令するもの、行動を解説するものなど。特に命令するものは危険な行動を命じられ、その通りに動いてしまう可能性があるため、危険度が高いです。
幻聴の原因として代表的なものが統合失調症。しばしば幻聴に悩まされている統合失調症の患者さんがいらっしゃいます。統合失調症以外に、ストレスや睡眠不足、薬物やアルコールによる影響、うつ病や認知症など、幻聴の原因となる要素は非常に多くあります。
ストレスや睡眠不足など一時的なものは休養を取ることで自然に解消することもありますが、病気が原因のものなどは根本を解決しないと解消は難しいです。そのため、原因を見極め適切な治療を受けることが重要であり、幻聴が続くのであれば医療機関の受診をおすすめします。
自分でできる幻聴の対処法

医療機関を受診すると抗精神病薬などの治療薬が処方され改善に向かいますが、服用して効果が出るまで時間がかかることもあります。そこで、自分でできる幻聴が生じた時の対処法をご紹介します。
趣味や仕事など、別のことに集中する
幻聴は気になるとより強く感じてしまいます。そこで、趣味や仕事などに没頭することで幻聴を気にしなくします。趣味はあなたが集中できるものならなんでもよく、例えば料理や読書、絵を描く、スポーツをするなど。
人と話をする
人と話をすることも幻聴の対処法になります。先ほどの趣味や仕事と同様に会話に集中することで幻聴を気にしなくなる効果が期待できますし、人の声が耳に入ることでより幻聴が気にならなくなります。また、幻聴が聞こえることを伝えることで、幻聴に対する孤独感や不安感を和らげることも期待できます。
音楽やラジオを聴く
音楽やラジオといった音を耳に入れることも幻聴の対処に有効です。音によって幻聴をかき消すことが期待できます。また、好きな音楽やラジオ番組であれば、その音に集中することで幻聴が気にならなくなります。より音楽やラジオに集中するためにイヤホンやヘッドフォンを使うのも良いでしょう。
場所を移動する
特定の場所にいることで聞こえてる幻聴があります。そのような幻聴に対しては場所の移動が有効です。ケースによっては隣の部屋に移動するだけで幻聴が聞こえなくなることもあります。また、移動することで気分転換になって、幻聴への意識が薄れる効果も期待できます。

自分でできる幻聴の対処法をお伝えしました。幻聴は他のことに集中するなどして、紛らわすことで対処できます。また、他の方には聞こえないため、孤独感や不安感を抱くこともあるでしょう。その場合は人と話をすることで孤独感や不安感を軽減し、幻聴自体も緩和することができます。今回紹介した対処法は一時的なもので、根本を解決するものではありません。幻聴の原因は多岐にわたるため、自分で判断せず、医療機関を受診することをおすすめします。